Brain Science Inspired Life Support Research Center

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体験型授業

第17-18回 9月18-19日(木-金)

電気刺激装置による運動補助システム(第17-18回)

実施場所:東3-701b、東3-726

レポーター:森下壮一郎

「電気刺激装置による運動補助システム」では,運動補助のための筋活動を誘発する機能的電気刺激(FES: Functional Electrical Stimulation)の実習が行われました.具体的には,横井研究室で開発されたFM干渉型電気刺激装置を用いて,大腿部の筋を刺激して膝を伸展させる運動を誘発します.さらに伸展角の定量的評価のためにゴニオメータで関節角を計測しながら,超音波診断装置で筋収縮の様子を観察します.

h26-17

第17回

1日目は,まず座学で,電気刺激の臨床応用について,分類と適用範囲,歴史,作用機序に至るまでの横井教授による網羅的なレクチャーが行われました.次に実験室に移動し,非侵襲的な身体内部の計測手法の一つである超音波診断装置(エコー)を使って,上肢や下肢で筋活動に応じた変化が観察できることを確認しました.また,横井教授自身が被験者となって筋の刺激による運動発現のデモンストレーションを行いました.そしてモニター学生が被験者となって,下肢の筋群を刺激する実験を行いました.電気刺激を行う位置を決定するために,モーターポイント(運動点)と呼ばれる筋活動が誘発されやすい刺激位置を,モーターポイントペンと呼ばれる装置で探索します.そして血圧計と同様の仕組みのホルダーでエコーのプローブを固定し,計測点に密着させます.電気刺激で膝伸展の運動が誘発されることと,エコーの出力が画像処理によって定量化される様子を確認しました.

h26-18

第18回

2日目は,前日のレクチャーの補遺として,神経走行および刺激個所に応じて筋活動が誘発される筋群の解剖学的な知識についての講義がありました.さらに,近年公刊された論文を元に,モーターポイントについてと,近赤外分光法(NIRS:near‐infrared spectroscopy)による血流変化の観察による筋活動評価についてのディスカッションが行われました.その後,実験室で前回に引続き大腿部の電気刺激による膝伸展運動の誘発および計測の実験が行われ,特にエコー画像の処理についての説明が行われました.最後に,横井教授自身が被験者となって神経刺激による筋活動誘発のデモンストレーションが行われました.筋を直接刺激する場合は,電極の直下の筋のみが収縮しますが,神経刺激によって,上腕部を刺激しているにも関わらず前腕部にある筋(拇指内転筋など)の収縮が促されることを確認しました.また,横井教授の体感として,神経刺激の方が疲労感が少ないことが説明されました.