体験型授業
第3回 5月29日(木)
生物発光測定(1)
実施場所:東3-701室
レポーター:横井浩史
本日の講義では、丹羽教授から、ホタルルシフェリンの発光の原理とその応用展開について、ご説明いただきました。発光のためには、ATPなどのエネルギーを供給する物質と、そのエネルギーを吸収して基底状態から励起状態へ遷移する電子軌道の箱が必要であり、励起状態からのエネルギー放出が可視光の波長の電磁波をうまく発生させることが必要であることがわかりました。光として発光できない分のエネルギーについては、熱などとして拡散し消失することについても理解できました。
講義の中では、バスクリンの蛍光実験やサイリウムや海ホタルの発光実験などを実施していただきました。バスクリンの蛍光実験では、エネルギーの供給を紫外線ライトにより行い、バスクリンの分子の中の電子軌道を励起させていることが理解できました。また、海ホタルの乾燥試料を乳鉢で細かく砕いて水を灌ぐと、鮮やかな青紫色の蛍光を観察でき、参加者の歓声を誘っていました。
応用展開のコーナーでは、山田先生が公表された「生体の光学的窓」について説明され、その窓の中の波長で発光できるアカルミネを用いて、生体の深部で発生する種々の活動の可視化の方法と成果について示されました。
次回は、これらの知識を踏まえて、いよいよ生体発光の実験となります。